こんにちは!西巣鴨校 教室長の安藤です。
今回は、中学1年生で学習する【時差の求め方】について解説していきたいと思います。
計算だから何となく苦手と思っている生徒が多いですが、手順を押さえればもう迷うことはないので、一緒にマスターしていきましょう!
時差の問題を解くには
基本的な知識のおさらい
まずは、時差を求める上で知っておきたい地理の基本的な知識のおさらいです!
◼︎緯度
赤道を0度として、南北を90度に分けたもの
→同じ緯度を結ぶ線:緯線
◼︎経度
経度0度の線(本初子午線)を基準に、地球を東西それぞれ180度に分けたもの
→同じ経度の線:経線
◼︎本初子午線
イギリスの首都ロンドンを通る経度0度の経線
◼︎日付変更線
ほぼ180度の経線に沿って引かれた線
→東から西へこえる:1日進める
→西から東へこえる:1日遅らせる
◼︎標準時子午線
各国が時刻の基準とする経線
これに合わせて各国は標準時を決めている
例)日本:兵庫県明石市を通る東経135度の経線を基準としている
計算方法
まず、時差の計算を行う上で必ず押さえておきたいのは、経度15度で1時間の時差が生じるということです。
(地球は24時間で1回転(360度)しており、「360度÷24時間=15度」となるため)
では、実際の計算方法を見ていきましょう!
Point:本初子午線を真ん中にして考える!
※問題ではさまざまな地図が使われますが、頭の中では本初子午線が真ん中にある↑この図を想像しよう!
◼︎2地点が東経どうし/西経どうしの場合
①2地点の経度差を求める:ひき算
②時差を求める:①で求めた経度差を15度でわる
③時差から時刻を求める:より東側の方が時刻が早い
例)明石が1月1日午前10時の時のカイロの時刻
カイロ:東経30度 |
明石:東経135度 |
①135度ー30度=105度 (明石とカイロの経度差)
②105度÷15度=7時間 (明石とカイロの時差)
③明石が1月1日午前10時の場合、カイロは7時間前の1月1日午前3時 (明石とカイロでは明石の方が東側にある(=時刻が早い)) |
◼︎2地点が東経と西経で異なる場合
①2地点の経度差を求める:たし算
②時差を求める:①で求めた経度差を15度でわる
③時差から時刻を求める:より東側の方が時刻が早い
例)カイロが4月1日午前7時の時の、ロサンゼルスの時刻
ロサンゼルス:西経120度 | カイロ:東経30度 |
①120度+30度=150度 (カイロとロサンゼルスの経度差)
②150度÷15度=10時間 (カイロとロサンゼルスの時差)
③カイロが4月1日午前7時の場合、ロサンゼルスは10時間前の3月31日午後9時 (カイロとロサンゼルスではカイロの方が東側にある(=時刻が早い)) |
Point:時差を求めたい2地点が東経/西経どうしか、そうでないかに注目!
実践問題
問題
次の問題をやってみよう!
1. 東京(東経135度)が4月10日午後6時の時、①〜③の年は何月何日の何時か?
①ホノルル(西経150度)
②キト(西経75度)
③リヤド(東経45度)
2. イタリアのローマ(東経15度)を7月5日午後9時に出発した飛行機が、日本の現地時刻で、7月6日午後6時に羽田空港に到着した。飛行時間は何時間何分か?
3. ドイツのベルリンからインドネシアのジャカルタまでの飛行時間は16時間である。ベルリン(東経15度)を3月16日の午後10時に出発した場合、ジャカルタ(東経105度)には何月何日の何時に到着するか?
どうでしたか、2と3は少し工夫が必要でしたが、できたでしょうか?
さっそく解説を見ていきましょう!
解説
1. 東京(東経135度)が4月10日午後6時の時、①〜③の年は何月何日の何時か?
①ホノルル(西経150度)
ホノルル:西経150度 | 東京:東経135度 |
①150度+135度=285度 (東京とホノルルの経度差)
②285度÷15度=19時間 (東京とホノルルの時差)
③東京が4月10日午後6時の場合、ホノルルは19時間前の4月9日午後11時 (東京とホノルルでは東京の方が東側にある(=時刻が早い)) |
➡︎答え 4月9日午後11時
②キト(西経75度)
キト:西経75度 | 東京:東経135度 |
①75度+135度=210度 (東京とキトの経度差)
②210度÷15度=14時間 (東京とキトの時差)
③東京が4月1日午後6時の場合、キトは14時間前の4月10日午前4時 (東京とキトでは東京の方が東側にある(=時刻が早い)) |
➡︎答え 4月10日午前4時
③リヤド(東経45度)
リヤド:東経45度 | 東京:東経135度 |
①135度ー45度=90度 (東京とリヤドの経度差)
②90度÷15度=6時間 (東京とリヤドの時差)
③東京が4月1日午後6時の場合、リヤドは6時間前の4月10日午後12時 (東京とリヤドでは東京の方が東側にある(=時刻が早い)) |
➡︎答え 4月10日午後12時
2. 日本を7月5日午後9時20分に出発した飛行機が、7月6日午前2時にイタリアのローマ(東経15度)に到着した。飛行時間は何時間何分か?
➡︎飛行機がローマに到着した時刻を日本時間に置き換えて考える!
ローマが7月6日午前2時の時の、日本の時刻
ローマ:東経15度 | 日本:東経135度 |
①135度ー15度=120度 (日本とローマの経度差)
②120度÷15度=8時間 (日本とローマの時差)
③飛行機が7月6日午前2時にローマに到着した時、日本は8時間後の7月6日午前10時 (日本とローマでは日本の方が東側にある(=時刻が早い)) |
➡︎日本を出発した時刻と飛行機がローマに到着した時の日本時間を使って、飛行時間を計算する!
出発:7月5日午後9時20分(日本時間) | 到着:7月6日午前10時(日本時間) |
飛行時間:12時間40分 |
➡︎答え 12時間40分
Point:片方の国の時刻に合わせる!
3. ドイツのベルリンからインドネシアのジャカルタまでの飛行時間は16時間である。ベルリン(東経15度)を3月16日午後10時に出発した場合、ジャカルタ(東経105度)には何月何日の何時に到着するか?
➡︎飛行機がベルリンを出発した時刻をジャカルタ時間に置き換えて考える!
ベルリンが3月16日午後10時の時の、ジャカルタの時刻
ベルリン:東経15度 | ジャカルタ:東経105度 |
①105度ー15度=90度 (ジャカルタとベルリンの経度差)
②90度÷15度=6時間 (ジャカルタとベルリンの時差)
③飛行機が3月16日午後10時にベルリンを出発した時、ジャカルタはは6時間後の3月17日午前4時 (ジャカルタとベルリンではジャカルタの方が東側にある(=時刻が早い)) |
➡飛行機が出発した時間に飛行時間である16時間を足す!
出発:3月17日午前4時 | 飛行時間:16時間 |
到着:3月17日午後8時 |
➡︎答え 3月17日午後8時
Point:片方の国の時刻に合わせる!
どうでしたでしょうか?
以上で問題の解説は終了です!
数学以外で計算が出てくると何となく苦手、よく分からないという感覚を持つ学生が多いです。しかし、手順をしっかり押さえれば意外と簡単に解ける問題ばかりなので、何となく難しそうと思わずに一つ一つ丁寧に取り組んでいきましょう!
個別指導SUNSでは、生徒が本当に苦手としているのか、それとも何となく苦手意識を持っているだけなのかを見分け、生徒一人一人の苦手意識を減らしていく授業を致しております。
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